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人生の残り時間

2011-02-28
プロフィールで、早期リタイアしようと決めたきっかけは意に添わない部署への異動命令と書きましたが、確かにそうではあるんですが、もっと深いところで考えさせられた出来事がありました。

ある二つの出来事が・・・・。

40代半ばで異動した先では、当時、職場での分煙が叫ばれ始めた頃で、それまで物置だった部屋がタバコ部屋(喫煙室)となっていました。当時、私はかなりのヘビースモーカーでしたから、仕事の区切りを見つけてはチョコチョコそこで油を売っていたわけです。
ウンザリする職場から逃げるようにと言ったほうが正しいかもしれません。

そこで、定年退職間際のAさん(59歳)と知り合いになったのです。
Aさん、生真面目で仕事一辺倒の人なんですが、お世辞にも風采が上がるとはいえない人でした。
人付き合いもあまりよくないし、服にも酒にもレジャーにもお金を使わず、唯一タバコだけが趣味に見えるような、爪に火をともすような、という言葉がピッタリの雰囲気が漂っている人でした。

あるとき、そのAさんが、タバコ部屋で二人きりになった瞬間に、少しだけ嬉しそうな顔をして、私に話しかけてきたんです。

「まどのさん、私、今度、引っ越すんですよ。新築のマンション買いましてね」

聞くと、それほど超一等地というわけではない場所ですが、どこへ行くのも便利な東京23区内の住宅地です。
「いくらだったんですか?」
「6500万・・・」
「へえー、凄いじゃないですか? どこの銀行で借りられたんですか?」
「いやー、私なんかもう来年定年だから、銀行は貸してくれないでしょ・・・・」
「えっ!? ということは現金ですか・・・6500万全額?」

「え、まあ・・・」
6500万現金で持っていたというのも驚きでしたが、来年には定年退職金も入ってくるわけです。おそらく、勤続38年で3000万弱(手取り2500万)は入ってくる。それに奥さんも別の部署で働いていて、たしか同時に定年退職だったはずです。奥さんの退職金だって相当なものでしょう。
しかも、Aさんの年齢だと年金も60歳から受給可能です。
子育ても終わっていて、住宅ローンもその他の借金もなくて、退職金二人分で約5000万あって、年金も60歳から受給可能だとすると、すごい!! 

当時の私の大雑把な人生計画から見るとAさんは別世界の人のように見えてきました。

「いいですねー、Aさん、定年退職したら、悠々自適じゃないですか」
「いや、あんまり生活は変わらないと思いますよ。嘱託で××課に再雇用で行きますから、責任は少なくなるけど、働く時間はあんまり変わらないしね」
「えー、もったいない。今まで長い間、辛抱して働いて来られたんだから、今から好きなことすればいいじゃないですか? 今からが人生の一番いいときじゃないですか」
「いやー、家にいたって、あんまりやることないだろうしね」
「そんなもんですかね。僕がそんな状況なら働きませんけどね」

その日はタバコ部屋での話はそこまででしたが、それ以降、二人きりになるたびに、新しいマンションの話をしてくれるわけです。私としては内心、自分とは全然違うなと思いながら聞いていました。
私なら、それだけのお金があるならば、会社は辞めて、すべての時間を自分の好きなように使う、と。


Aさんの話は後日談があるのですが、その前に、もう1人のBさんの話を・・・。

Bさんは、54歳で、若い頃から、仕事よりも山登り命という感じで、頭の中はほとんど山のことばかりみたいな人でした。最近はフリークライミングに凝っているという話を聞いていました。
他の支社にいた先輩Bさんに、ある会議で久しぶりにお会いすると、
「まどのさん、私、来年の春、辞めることになりました。お世話になりました」
「え!? どうされるんですか? これから」
「いやー、私、こう見えても、けっこう経済観念がありましてね。ちょっとね。今度、一緒にハイキングでもしませんか、まどのさんとはいろいろ話したいし・・・」
というわけで、数日して、丹沢を男二人でハイキングしながら、ポツリポツリとBさんが話してくれたことは・・・。
「私ね、もう10年以上前から、不動産投資やってましてね

「不動産投資って、安く買って高くなったら売るってことですか?」
「いやいや、それはもう、バブルがはじけちゃったからできません。家賃収入を得るんですよ
「へえー、凄いじゃないですか? それで、生活できちゃうんだ」
「いやあ、今までの給料の半分ぐらいになるかもしれないけどね。でも、今辞めないと、フリークライミングやれる時間がほとんどない。フリークライミングやれるのって65歳ぐらいまでかなって思ってるんですよ。考えてみると、あと10年しかない。10年とことん、フリークライミングやってみたいんだよね~。人生、一度しかないし、子供たちももう独立したし、夫婦二人、贅沢しなけりゃ、なんとか食っていけるだろうからね

ガーン、お金にあまり縁のなさそうに見えたBさんがそんな計画を着々と進めていたことに驚かされました。ですが、それよりも、考えさせられたのは、人生の残り時間をしっかりと見つめていること。

オレはどうなんだろうと、40代後半の等身大の自分を心の中で見つめることになりました。
何だか、ガーンと頭に一発くらったような、そんな気がしました。

Bさんは、その何ヶ月か後、飄々とした感じで退職していかれました。

で、Aさんの後日談ですが、定年退職を数週間後に控えた3月中旬、
例のとおり、タバコ部屋でふたりで話していると、
「まどのさん、私、明日、入院するんですよ。検査入院なんですが」
「え!?」
「昨日、病院に行ったんですよ。そしたら、夜、家に病院から電話がかかってきましてね」

そういえば、前に私に胃カメラのことを聞いていたっけ、それに仕事中もひっきりなしに背中をたたいている姿が目に浮かんできました。
ちょっと重い空気が流れて、2本目のタバコに火をつけようとするAさんに、
「ダメですよ。検査入院の前なんですからそんなにタバコ吸っちゃダメですよ。退院してきてから、思いっきり吸えばいいじゃないですか」と何でもないように笑いながら言うと、
「そうですね」と、Aさんも笑ってタバコをしまい、二人で空笑いしながら、タバコ部屋を後にしました。

Aさんの顔を見たのは、それが最後でした。

Aさんは翌日入院した後、職場に戻ってくることもなく、再雇用先の職場に行くこともなく、入院後3週間で亡くなられました。
新しいマンションに引っ越す夢は達成されたのがせめてもの救いでした。

ほぼ同時期に職場から去っていったAさんとBさんのお二人、
どちらがいいとか、どちらが正しいとかいうのではなく、
深いところで人生を考えさせられた出来事でした。


けっして、Aさんが不幸で、Bさんが幸福だというような話ではありません。

亡くなられたのがたまたまAさんのほうでしたが、Bさんのような方が早く亡くなられることだって現実にはいっぱいあります。

だから、どういう人生を生きてきたから幸福とか不幸とか、他人にはとやかく言えることではない。本人が良ければそれでよいことです。

私にとっては、50歳を目前にして、自分の人生を真正面から考えさせられる出来事でした。

考えたくはないことですが、死ぬことを前提として考えるようになったのも、その頃からです。

つまりは、人生の残り時間を実感を持って意識するようになったわけです。





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